主な業務紹介

◇遺留分

☆遺留分とは

・「生前中に財産を処分できたのだから、死後の遺産も自由に処分できる」というのが遺言の原則ですね。

 

・とはいっても、遺産のすべてを他人に遺贈された場合、残された妻子の生活が脅かされるおそれがあります。

 

・そこで民法には、「遺留分制度」というものがあり、一定の範囲の相続人に「遺産の一定割合」を確保できる地位を与えてます。

 

・「遺産の一定割合」を遺留分といいます。

 

☆遺留分権利者

・配偶者、直系卑属(子など)、直系尊属(父母など)が遺留分の権利者です。

 

・兄弟姉妹には遺留分が認められません。

 

☆遺留分率

・遺留分は、次のとおり定められています。

①直系尊属のみが相続人⇒遺産全体の3分の1

②その他の場合⇒遺産全体の2分の1

※その他とは

               ・直系卑属のみ

               ・その他配偶者のみ

               ・直系卑属と配偶者

               ・直系尊属と配偶者

 

・遺留分権利者が複数の場合、まず総遺留分を前記のとおり計算した後、それぞれの法定相続分の率を乗じたものが、その者の遺留分となります。

 

☆遺留分減殺請求権

①足りない分は請求できる

・相続人に遺留分だけの相続財産が残されてないときは、遺留分に達するまで、受遺者や受贈者に対して遺留分を越えた遺贈・贈与の効力を取り消して、その目的物を取り戻すことができます。⇒遺留分減殺請求()

 

・原則、受遺者や受贈者は、目的物を返還しなければなりませんが、代わりにその価額を返還することもできます。

 

②時効

・遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が、相続の開始、および減殺すべき贈与または遺贈のあったことを知った時から1年、あるいは相続開始の時から10年経過すると、時効により消滅します。

 

 

☆遺留分の放棄

①放棄の手順

・遺留分の放棄は、相続開始前ならば、家庭裁判所の許可が必要です。開始後は、許可は必要ありません。

 

②放棄の効果

・相続を放棄すると、当初から相続人でなかったことになり、遺留分もなくなります。⇒遺留分は相続人であることが前提。

 

・遺留分の放棄は、遺留分減殺請求権の行使をしないという意思表示で、相続自体ができないのではない。⇒遺留分が侵害されてもかまわないということだけ。

 

・相続放棄によって他の相続人の相続分は増加しますが、遺留分放棄は、増加しません。