主な業務紹介
◇相続 ④
◎法定相続
☆相続とは
人が死亡したとき、持っていた権利や義務をほかの人が引き継ぐこと⇒「相続」
(注)失踪宣告も相続の原因となります。
被相続人⇒権利や義務を残して死亡した人
相続人⇒その権利や義務を引き継ぐ人
(注)実際に相続が開始されるまでは、推定相続人といいます。
相続財産(遺産)⇒引き継がれる権利や財産
・相続人は、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します。
・土地、建物の所有権、占有権、賃借権、預金債権、金銭債権などの物権や債権、債務は
もちろんのこと、売主・買主という契約上の地位、取り消し権なども相続の対象となり
ます。
☆法定相続人の資格と順位
・相続人には、配偶者と一定の範囲の血族しかなることができません。
・配偶者は、常に相続人になります。
・血族は、相続順位に従って相続人になれます。
(法定相続の順位)
法定相続人 |
||
配偶者 |
第1順位 |
子(および代襲相続人) |
第2順位 |
直系尊属(親など) |
|
第3順位 |
兄弟姉妹(および代襲相続人) |
・第1順位の子がいない場合に限って、第2順位の直系尊属(親など)が相続人になります。
なお、この場合、親等の近い順に相続人になります。
・第1順位の子、第2順位の直系尊属(親など)がいない場合に限って、第3順位の兄弟姉
妹(および代襲相続人)が相続人になります。
・内縁の妻は配偶者に含まれませんので相続人にはなれません。
・第1順位の子がいない場合に限って、第2順位の直系尊属(親など)が相続人になります。
なお、この場合、親等の近い順に相続人になります。
・第1順位の子、第2順位の直系尊属(親など)がいない場合に限って、第3順位の兄弟姉
妹(および代襲相続人)が相続人になります。
・内縁の妻は配偶者に含まれませんので相続人にはなれません。
☆相続人になれない人
・次の理由があるときは、相続人になることができません。遺留分もありません。
(1)遺産目当ての強迫・遺言書の偽造・殺人など⇒相続欠格
・以下の欠格事由がある者は、相続人となれません。なお、欠格者の子は、欠格者に代わって代襲相続をすることができます。
①故意に被相続人または相続の先順位・同順位にある者を死亡させたり、あるいは死亡させようとして刑に処せられた者。(殺人未遂、予備も含まれます。)
②被相続人が殺されていたことを知っていたにもかかわらず、告発、告訴をしなかった者。
③詐欺や脅迫をして、被相続人が相続に関する遺言をしたり、遺言を撤回・取消したり、遺言を変更したりすることを妨害した者。
④詐欺または脅迫により、被相続人に相続に関する遺言をさせたり、遺言を撤回・取消させたり、遺言を変更させたりした者。
⑤相続に関する被相続人の遺言書を偽造したり、変造したり、破棄したり、隠したりした者。
(注)これらに当てはまる者は遺言による遺産の贈与(遺贈)を受けることも
できません。
(2)推定相続人の廃除
・廃除とは、被相続人の意思によって、遺留分を有する推定相続人の相続権を奪うことをいいます。
・排除は、生前に家庭裁判所に請求することも、遺言によってすることもできます。
・なお被相続人は、いつでも、この排除の取り消しを家庭裁判所に請求するこ
とができます。
☆代襲相続
・被相続人が亡くなる前に、相続人となるはずの子あるいは兄弟姉妹がすでに死亡していた
場合、その相続人の子が代わって相続人となることができます。これを代襲相続といいま
す。
・ただし、直系尊属と配偶者は代襲相続ができません。
・また、欠格、排除によって相続権を失っている場合も、代襲相続することができます。な
お、相続放棄をした場合には、代襲相続はできません。
☆法定相続分
・法定相続分とは、相続人が複数いるとき(共同相続)に、民法が定める割合をいいます。
相続人 |
配偶者の相続分 |
配偶者以外の相続分 |
配偶者と子 |
2分の1 |
2分の1 |
配偶者と直系尊属 |
3分の2 |
3分の1 |
配偶者と兄弟姉妹 |
4分の3 |
4分の1 |
・同順位の相続人が複数いる場合、法定相続分は原則、平等ですが、次の場合異なりま
す。
①非嫡出子は、嫡出子の相続分の2分の1
②兄弟姉妹が相続人となる場合、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹は、父母の
双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1