(民法学習2)

「契約」とは

◇契約の意義

契約」と聞かれて、あなたは何を思い浮かべますか。

実は、私たちは毎日の生活の中で、いろんな場面で、「契約」をしています。

例えば、買い物では売買契約を、働く際には雇用契約を。この「契約」には次の意義があります。

 

 ①契約自由の原則…あなたの自由な意思に基づくものであること。(締結、相手方の選択、内容

                決定の自由があるということです。)

 

  ②信義誠実の原則…契約をすることで、あなたと相手方は、お互いを信頼し、その信頼に応え

          なければなりません。 

 

◇契約の種類

(1) 双務<そうむ>契約⇒売買契約や賃貸契約などお互いに債務を負担する契約で、その債務

            が的な意味をもっている契約。

       (債務<さいむ>=特定の給付をする義務)⇔(債権<さいけん>=特定の給付を請求する権

        利)

       (対価⇒財物や行為などによって人に与えた利益に対して受け取る報酬)

 

(2) 片務<へんむ>契約⇒贈与契約など契約の一方だけが債務を負うか、もしくはお互いに債

            務を負担して いても、それが対価的な意味を持たない契約。

 

(3) 有償契約⇒契約の当事者がお互いに対価的な意味を持つ出損をする契約。(売買契約、利

           息付消費賃貸契約など)

       (出損<しゅつえん>=お金の支払いや物の引き渡しなどの負担をすること)

 

(4) 無償契約⇒有償契約でない契約。(贈与契約、無利息の消費賃貸契約など)

 

(5) 諾成<だくせい>契約⇒あなたと相手方との意思表示の合致で成立する契約。(売買、賃貸

             借契約など)

 

(6) 要物<ようぶつ>契約⇒あなたと相手方との意思表示が合致し、どちらかが目的物の引き

             渡しなどをすることが契約の成立要件とする契約。(使用賃貸契約

             や寄託契約など)

 

(7) 典型契約⇒民法に規定する13種類の契約。(贈与、売買、交換、消費貸借、使用貸借、賃

           貸借、雇用、請負、委任、寄託、組合、終身定期金、和解)

 

(8) 非典型契約⇒典型契約以外の契約。

 

☆簡易な行政書士用の委任契約(有償契約)様式例

 

委 任 契 約 書

 山田太郎を甲、行政書士山本誠を乙とし、次の条項により委任契約を締結する。

   (委任業務等)

1条 甲は、乙に対し、次の各号に掲げる業務等(以下「委任業務等」という。)を委任し、乙はこれを受任する。

(1) 甲が営業を開始する飲食業につき、所管官庁の許認可を得るための一切の手続き

(2)

   (委任業務等履行期間)

2条 委任業務等の履行期間は、この契約締結の日から3か月間とする。ただし、甲乙協議によりこれを変更することができるものとする。

   (報酬及び支払)

3条 委任業務等の報酬は、金     円(消費税を含む。)とし、甲は次の各号のとおり支払うものとする。

(1) 本契約締結時に報酬の内金として金       円

(2) 前条の許可が得られたとき、報酬の残金として金       円

   (実費等)

4条 第1条の委任業務等の処理に必要な交通費、郵便代等の実費は甲が負担するものとする。 

2 甲は、この契約時に前項の実費の概算金として金      円(消費税を含む。)を乙に預託するものとする。

3 委任業務等終了時または、この委任業務等履行期間満了時において、実費の概算金に余剰があるときは、乙は甲に返還するものとする。

 (委任業務等不成就の措置)

5条 乙の責に帰する理由以外で委任業務等にかかる許認可が得られなかった場合、乙は、第3条第1号の報酬の内金は返還しないものとする。

    (疑義等)

6条 この契約に関し疑義のあるとき又は、この契約書に定めのない事項については、必要に応じて甲乙協議して定める。

 この契約を証するため、本書2通を作成し、甲乙記名押印の上、各自1通を保有する。

平成  年  月  日

            甲    住 所

                   氏 名 

 

乙   高知県安芸郡安田町大字唐浜2253番地2

行 政 書 士   山本 誠

 

 

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